僕ら情熱をなぜか正義か何かと決めつけて

 

バンドでステッカーを作った。このバンドが好きじゃなくてもこのステッカーは欲しいと思えるのではないか、というクオリティだと個人的に思ってる。

日が空いてしまったが最近のこと。つくづく、この世は、嫌なことばっかりだと最近は思う。

 

11月6日

ずっと寝ていた。ずっと寝ていた…。翌日はライブだが夜から飲みの場へ。俺のブログを見た知人に記事の朗読をされて怒ってしまう。自己開示をすることがバンドを理解してもらうためにも大事なのかなとブログなどやっているわけだが、本当は恥ずかしい。こんな拙い、わざとらしい文章。恥、はじ。そしてバンドをやっている知り合いに曲のことを言われてムッとしました。反省。俺はつくづく、プライドが高い。

 

11月7日

ライブが終わって、ずっと悔しくて、他のバンドのライブも見ないで夜の心斎橋を1人で歩いてた。俺はもっとやれるはずって思ってるんだけど全然結果はついてこなくて今日も客は0。ライブをやっても意味ないんじゃないかなとか、俺は歌が下手だなとか、他のバンドより客盛り上がってなかったなとか、そもそも他のバンドの時より客席に人いなかったなとか、大学の発表どうしようとか、お腹空いたとか色々なことが頭を巡っていた。どこ歩いているかもわかんなくなった。もうかなり歩いたのか体がとても疲れていた。大きな通りの花壇に腰をかけて辺りを見渡すとその景色は見覚えがあって記憶の中を走ってみる。2021年の5月だか、6月だかに行き着く。その時俺は知り合いと東京の先輩の大阪でのライブを見に行っていたんだっけ。地元から離れたところにも先輩を見にくるような人は何人かいたみたいで、大きい会場にたくさんの人がいた。その時のことを思い出して、先輩と俺との歴然とした差を突きつけられた。俺は一年以上何やってるんだろうなーって、一年以上やっても一年前夢見た場所には程遠いなーってぼやけた街の光の集合を眺める俺の後ろでは外国人のレイヴパーティー。つくづく、都会というのは、全く、悲喜交々、ふざけたところである。

どうしたって惨めな気持ちになるから俺はもうライブハウスなんか戻りたくない。と俺はガードレールに腰掛けてダラダラとここまでの文章を書く。寒くて何か温かいものが欲しいが金がないので何も買わない。…バンドメンバーに気を使わせるのは良くないので諦めてライブハウスに戻ろう。俺は、残念ながら、もうそこそこ大人になってしまったのだから。


打ち上げに行って案の定気が悪い。俺たちのダメのところをぐだぐだと悦に入って説教垂れてくる奴らは多々いるがそれが部分的に納得できてしまうのが本当に腹立たしい。
「売れたい売れたいと脂汗かいて必死になってるバンドを見たいか?」『集客0人でライブするのは意味がない。お話にならない。メンバー1人につき友達でも親でも2人ずつ呼べば少なくとも6人はくるやん?」
俺は露骨に下を向いて嫌な顔をしていた。


そもそもわからない。俺、そんなにライブハウス行くの好きじゃない。うるさいし。ライブを見にいきたいと思わない。わからない。だから見にいきたいバンドとか知らんし。俺、友達おらんし。少ない友達に嫌われたくないし。てかバンドやってることなんて恥ずかしいことだし。実家千葉だし。
たくさん言い訳が思いつく。飲み込んだ言い訳がどす黒い煙になって体をめぐる。地球は、もっと強く、俺を潰そうと引っ張る。ずっと俺の生活は12月の中にある。学習しない俺はカモにされてまた来月も同じ12月を生きる。

 

朝9時の起床と共に今夜のライブに向けて移動を始めて、30分の、誰も来ないライブのために片道3時間40分。夜になって、気を悪くして、日付が変わって、スピッツが流れる車の中には泥のような眠気が充満して、その隙間から俺は微かに呼吸をしていた。