Noazamiってバンド

Noazamiというバンドに会ったのは今年の4月ごろで俺のやっているバンドにもキーボードがいて、もうやめてしまったサポートギターもいた。Noazamiにもまだ正規のベースがいた。時間は流れ、俺のバンドからサポートギターが抜け、キーボードが抜け、新しいギターが加入し、3人体制になった。Noazamiはベースが抜けてバンドも解散することになった。昨日はそんなNoazami最後の対バン企画に呼んでもらった日だった。

バンドを始めてすぐNoazamiの名前を知った。何やらバンアパの原さんに褒められて、京都MUSEでワンマンをしたバンドらしい。見た目もイケてる。…何となくいけすかないバンドだと思っていた。初めてライブを見たのは4月に同じイベントに出た時。俺たちはその時もあんまり客を呼べなくて、それに対してNoazamiはノアザミギャルが何人か来ていた。ああ、なんか、やっぱりイケすかないぜと思った。ライブは何となく良さげ。ライブが終わってから一緒に喋った。ジャンルが違うのに俺たちのことをとても褒めてくれた。チョロい人間、俺、そこからはすぐにNoazamiに良い印象を抱いていった。

5月、たまたま練習スタジオでNoazamiに会った。何かの縁かと思ってライブを見に行った。メジャーアーティストが出るイベントのO.A、25分のステージだったが、その日でていたバンドで俺はNoazamiが一番緊張感のある密度が高い良いライブをしていると思った。初めて京都の同世代のバンドに憧れた。

9月、ベース脱退に際して行われたNoazamiの企画に呼んでもらった。俺たちはトッパー。たくさんのカッコイイバンドが出ていた。とても長いイベントだった。のもあって俺は途中少し不機嫌だったと思う。他のバンドがファンを集めてライブハウスを盛り上げていた。俺たちは、誰に見られているんだろう?誰が俺たちを見て喜ぶんだろう?今日、最初からいた数少ない人々は俺たちを見て何を感じたんだろう?

「トッパーだけど一番記憶に残った。呼んで良かったよ。本当に」

「お前らは続けてくれ。カッコいいんだから」

「やめるのやめたら?」

共演者の人に沢山の温かい言葉をかけてもらった。バンドなんて俺がやりたいからやっているだけなんだけど、また一つバンドを続ける、続けたいと思う理由ができた。Noazamiは俺がバンドを続ける目的そのものになった。バンドを始めて1年ちょっとで、誰も仲良いバンドマンなんていなかったし、誰かと仲良くなるなんてないなって何となく思ってた。まだまだ俺は彼らにとってはないかもしれないけど、彼らに会えて俺はバンドやってて良かったなって思うことが増えた気がする。

昨日が最後、最後か。ライブが終わって、打ち上げをして、ラーメンを食べに行って、さかいさんと途中まで一緒に帰った。俺も多分あの人も口下手だからずっとぎこちなかった気もするんだけど、俺はもっとあの人たちのことを知りたいなと思った。だから俺にしては頑張って話した。話せてたのかな?

交差点で俺たちは別れた。最後の言葉が何だったか、俺は酔っ払っていて覚えていないけど、また酔っ払わないと話せないだろうし、また飲めたらな。ずっと一緒ではないけど、ずっと理由ではあり続けるのかなって思いました。