ASK(C?) セルフライナーノーツ(ってやつ?)

3月2日にEPが出ます(出ました)。それに際して楽曲解説みたいなことをしようと思います。これを読んで楽しんでもらえれば嬉しい。そして広めろ!

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今回の音源は元々キーボードとしてバンドのメンバーだった庄子が抜けるってことでそれまでを記録しておこうという意図で作ったものなんで特に明確なコンセプトはないのですが、強いて言えばコンセプトは「庄子」です。庄子が活動していた2021年8月くらいから2022年9月の間に作った、演奏していた曲が入っているんですがクオリティに納得いかなくてボツになった音源が4つくらいあってそれが悔しい点。アカネっていうバンドは俺と立本の二人から庄子が加わって三人になって、現在また二人っていう、まあ、これだけ見ても中々バンドというものはうまくいかないなあと思ってしまうような状況なんだけど、今まで俺のバンドに関わってくれた人には感謝です。本当に。庄子も足立くん、戸矢さん、実光さん、音季、チャンも。この音源ができたのは皆さんのおかげもあってです。マジで。

レコーディングはほとんどスーってスタジオのDスタジオで録って、ドラム立本、キーボード庄子、ギターチャンと北里、ベース北里、歌北里、ミックスマスタリング北里(これに関しては全然自信がないのであまり人に言いたくない、広めるな!)によって完成しました。まあ今までと比べれば幾分かマシな音源だが、今度こそはケチらずに人にお願いして録ろうと考えているので良いとこあったら教えてください。こんな過程を経て音源が完成しました。以下それぞれの曲について

・Entertainment

これは既にシングルで出したのですがミックスマスタリングがうんちだったのでかなり直してまた入れました。作った時はbloc partysmashing pumpkinsKEYTALKを合体させようとしてたんじゃないかな。

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Geek U.S.A. (2011 Remaster) - YouTube

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曲の大半はモロbloc partyが土台なんだけどそこに庄子のキーボードが入ったことでバキバキのキラーチューンに仕上がった。アウトロのギターにフェイザーがかかるのはサポートギターしてくれた音季のアイデア。細かいとこだけどサビの二個目のコードがE♭9なのがミソですね。

歌詞に関しては大半の曲がそうなんだけど、俺は作詞が非常に苦手なので「一行印象的なフレーズを考えてそこに賭ける」みたいなことをずっとしてて「つまるとこつまんないことが詰まってしまって困る」ってとこがそれです。ここに関しては色んな人が言及してくれて狙い通りいったなと感じています。

ライブでの受けが非常に良いですね。特にコード進行だったりメロディーだったりリズムだったりが凝ってるわけではないんだけど否が応でもテンションブチ上げさせ得る力を持った曲だと思ってます。

 

・PLS

最初はもっとスローテンポの曲だった。というのはこの曲を作った時はライブ活動始めたばっかりでバンドとしてどういう方向性でいくかが全く定まっていなかった、のでその時のメンバー(庄子、実光さん)の雰囲気に合わせていこうと思って、これはずっとシティポップ調の曲でした。(PLSはplastic loveから)

竹内まりや - Plastic Love (Official Music Video) - YouTube

が全然はまんなかった。ライブで演奏した時客席の反応が明らかに良くなかったし、自分も演奏してて楽しくなかった。そこから元のメロディは少し残しながらテンポもビートも歌詞も構成もガラッと変えて今の形になりました。参考にしたのはtofubeatsのwhat you got。ほぼずっと同じ進行、演奏だけど他の楽器との重なり合いで楽曲の表情が変わるっていうことをやりたかった。2サビ後のトラップっぽいとことかモロwhat you gotです。すみません。しかも音源ではそこでボーカルにオートチューンかけてます。モロwhat you gotです。本当すみません。イントロのメロディは俺の声をサンプリングして加工したものをシンセみたいにして鳴らしてるのですが、これもwhat you gotです。本当に本当にすみません。

tofubeats - WHAT YOU GOT (視聴動画) - YouTube

歌詞は「無理してダンスパーティーとかクラブに来たは良いものの全然馴染めないし、それに対してあの子はノリノリだし…ああ、来るんじゃなかった…俺はもうダメだ…消えたい…」みたいな状況を思い出しながら書いた気がします。多分これ解説してようやくわかる情景なので、俺の作詞は本当まだまだだなと痛感しますね。

良い曲なんじゃないでしょうか。個人的には正直ちょっと長いかなと思うのですが、たまにこの曲をすごい褒めてくれる人がいて刺さる人には刺さるんだと思います。ライブでもオートチューン使いたいなあ。もしtofubeatsが怖い人だったら訴えられてもおかしくないと思うのですが我々雑魚バンドなのでその点は大丈夫だと思います。

 

・世界は総じて言えば悪くない気がする

速い曲やりたいなと、もう音程とか気にしないやつやりたいなと、そんな経緯でできた曲。自分にしてはすぐできた。ただ勢いだけでいく勇気がないのでサビ転調、テンポダウンしました。元ネタはフジファブリックのB.O.I.Pですが何回かXTCっぽいねと言われました(どの曲かは知らん)。1サビ後にテンポダウンしてレゲエ調にする展開を思いついた時、俺の中のTempalayが(こんな感じど〜う突然BPM落としてみたり)と何か言いたげに歌い始めたが、めげずにこの展開を使用してよかったと思っています。

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俺の観測する限り、自分を誰より先に必要以上に貶めることで自分を防御することだったり、自分の物語を悲劇に仕立てあげて「哀の蜜」を舐めるみたいなことを人々はしがちで、そういうのもあって何だか暗ーいキモーい曲が好きになる時があるし俺の周囲の人の間でそういうのが流行ってる時期があったような気がして(多分実際には流行ってなくて、自分が過敏だったんだと思うが)。自分自身がそうだったからこそ、そんな流行に超ムカついていた時がありまして。「もうダメだー」なんて言ってるばっかじゃダメじゃんねと、そんな流行に逆張りするにはどうすれば良いかと、そんなこんなで「世界は総じて言えば悪くない気がする」っていうようなタイトルを先につけてそこから歌詞を考えたと記憶してます。バカな感じの曲調ともそれなりに合ってる。

これは今のバンドの曲レパートリーの中でダントツで速い曲なんでセトリに組み込むとライブ全体にメリハリがつくような印象があって、「メインウェポンにはならないんだけどあったら必ず役に立つアイテム」みたいに感じてて非常に重宝しています。はい。

 

・JIMAN Beat

なんだかおもしれー曲が作りたいなと思ってるけど、今までずっと普通のスケールばっか使ってんなという気づきからスタートした曲。ギターのリフが「JIMAN」の由来です。某アニメのBGMが元ネタです。この気持ち悪さとキャッチーさが両立したリフによって曲全体の雰囲気が作り上げられ、サビに推進力が出ます。サビのドラムも自分らの他の曲にはない面白いビートですがこれはFever Believer Feedbackとかで使われているやつですね。

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その上に4分のベースとキャッチーな歌メロがのってます。1サビ後、アウトロの部分はギター、ドラム、キーボードが違う拍子でなっていたり、落ちサビ前の「ダダダダ!」のキメがあったりとリズム的にも面白いことができていてキャッチーな歌メロとのコントラストがうまく出せたのではないでしょうか。

正直これを作った時のことはあまり記憶がなくて。2021年の冬に1ステージ50分やるっていう機会をもらったんだけど曲が全然ないから焦って作ったことを覚えています。そのライブに間に合わせることが目標だったので初めて披露した時は全く自信がなかったのですが、意外にも反応が良かったのでそのままやり続けています。サポートギターをしてくれているチャンも「一番楽しくてアカネっぽい」と言ってくれたり、自分の感覚と評価は一致しないということが身に染みてわかった曲ですね。

 

・幸福中毒(新録)

これまでの音源にも入っていた曲なんだけど、前と大きく変わったので再録したバージョンになります。ピアノが入ったこと、アウトロが伸びたことが主に変わった点ですね。ピアノが入ったバージョンを作った練習に俺は用事があって参加できず、後で送られてきた録音を聞いて感動したことを覚えています。アウトロが伸びたのはライブを観てくれた人から「少し短くて物足りない」と言われたのがきっかけです。元々すごく綺麗にまとまっている曲だったので、アウトロで一気に爆発させようと思いっきりギターを弾いてもらいました。J-POPの大サビでよく使われている全音上への転調をアウトロで行うことでクライマックスを演出したつもりです。ここで一気に夕方になる、「爽やかで切ない水色、青」から「太陽が沈むときのえぐみのあるオレンジ」になる印象を受けませんか?受けてください。あと細かいとこですがコーラスが入ったことで前の音源とかなり印象が変わったことに驚きました。

このEPの中で最も昔(2020年の冬)に作られた曲で元々弾き語りの曲でした。バンドでやるつもりはあまりなかった。自分が今まで作った曲の中で数少ない詞先の曲です。大学入ってすぐコロナが流行って、大学に行けず、全然友達もできず、ずっとやりたかったバンドも組めず、だけど友達を作って楽しそうにしている人とか何かに向けて努力をしている人とかが嫌でも目に入ってしまって俺はずっと最悪の気分でした。前を向いてやってかなきゃとは思ってたけど、ずっと全てを恨んでいたような気がします。そんな日々だったんですけど、何故か秋になって急に知り合った人と仲良くなって、なんやかんやあって、俺はある日その人と水族館に行ったんですね。そこでみた景色があまりに綺麗で、その時にふと「ああ、俺はこの人に救われたんだな」と実感してその人との記憶をもとに曲にしたという。まあこんなことを知って誰が喜ぶんだというような背景のある曲ですが言ってることはすごい普通というか。どれだけ諦めたり達観したようなつもりになっても結局「幸せになりたい」っていうところからは抜け出せない愚かで欲深い我々のことをですね、言ってるっていうそれだけなんだけど、久しぶりにちゃんと「歌いたい」っていうことがあってできた曲だったので個人的にはすごい気に入っている曲です。

 

以上が今回収録されている5曲のちょっとした解説でした。パクリ元もぜひ聞いてみてください。俺は本当に歴史の上にしか生きられない人です。俺はウイイレで自分だけのベストイレブンを作る感覚で曲を作っているので、チョーカッコいい曲ができてもそれは向井秀徳細野晴臣佐野元春…などで構成されるベストイレブンを作り上げたというだけなんです。なので選手達には本当に感謝、尊敬ですね。残念ながらこれに収録できなかったNovemberって曲とタイトルもついてない曲が1つあって、これらも悪くないと思うので今後なんとか形にできればなと思っています。がとりあえず久しぶりにEPを完成させることができて嬉しいです。

今回もジャケットは高校の友達の椛山に描いてもらいました。よくジャケットを褒めてもらうことがあるのですが画像一枚あたり1日俺が飯奢り(そしてある程度食うと遠慮しだす椛山)なのではっきり言って全然金払ってないです。こんなことをしているから日本のクリエイター達は苦しくなってやめていくんだと思いますが反省はしていません。

音源を出す度に期待をして落胆してを繰り返すのですが今までより大きな一歩になれば良いなと、しなくてはいけないと思ってます。まあこんなことを書いておいてなんですが、制作者サイドのことは気にせずに純粋に良いと思ってくれればそれが一番嬉しいです。ぜひ感想も聞かせてください。よろしくお願いします!

ありがと!!!!